胎界主 高解像度版再読企画 02『人面疽』03『夢魔』04『たましいの扉』

02『人面疽』

(1-2p)

テレビ、電車、線路。真ん中のテレビに映る今日子。

人が亡くなったときにだけ専用車両が通るようだ。

僻地だから、防犯に苦労してそう。「盗っ人へ地の果てまでも追いつめて」

(3-4p)

「盗っ人にはいられた地の果てまで行ってくる」を読んで、今日子は逃げられたと思

い、人面疽はこれ幸いと存在承認を迫るにしろ消すにしろ都合のよい場所なので目的を果たそうとする。

「久松くんは食べ物を粗末にする子じゃなかった」これで別人にすり替わっていると今日子は信じ、多くのものを賭けている。

稀男は体表にいる人面疽を見つける銃を突きつける。ここで素直に服を脱ぐのは、今日子を疑わせるためか、または99人の存在承認を得ていないので物理攻撃が効くからか?

(5-9p)

角と緒を見るバンシーの血。

斧の柄を壊して使えなくすれば、久松は魔物に決定打を持たないため倒せもしないが殺されもしないため、これで助けることは完了したと判断した? 「なんだ(助けたのに)お前まだいたのか」→まあ「死ぬようなことにはならない」と言った時点でおおよその筋書きは描いていたのだろう。

いのちの緒を切ることができると知られていると思っているため、不意打ちした。(シーってしている稀男)

「まだ喰えるぜ」今日子の見立てが正しかったことが明らかとなる。

 

あらすじ

高校教師日光は、生徒久松が化け物に取り憑かれたため栗島の紹介で稀男に解決を依頼しに、公園墓地を訪ねてきた。稀男は一旦追い返して、次の日久松を連れてくるように言い渡す。次の日、留守の表示を見て久松に取り憑く人面疽はこれ幸いと邪魔者を消しにかかる。あわや、絶体絶命かと思いきや稀男がそこに現れ、人面疽に銃を突きつけ体表の人面疽を見つけるために服を脱がせる。しかし、人面疽を体表に見つけることができなかった。そのため、今日子を乗っ取らせたのち、一度見捨てるフリをし、不意を打ちいのちの緒を切ることで人面疽を胎界に送り返すことに成功する。

 

03『夢魔

(1-6p)

ペイント弾が当たり死んだと誤認したことで、気が遠のいて倒れそうなところを稀男が足で支えている? それにしても、なんで助けに行ったんだ? 預貯金の半分でいいのもなんでだ? 嫌がらせ目的なのに減額する意味とは? 魚成関係の稀男の挙動は解釈が難しい。もうすでに、勇が助けなければ地震を起こす存在になっていたのかな?

そういえば、夢魔は胎界主専門に力を発揮するがそれでなにをしているのだろう。夢に閉じ込めて生成世界に力を及ばなくしている? 夢の中での創造を自分に利用するとか。他の人間を招き入れて殺すとか?

今回の夢魔は所属が明言されていないが、すべての夢魔はサタナキアから産まれて手先として動いているのでは? (自我感染は帝王→サタナキア→夢魔)東郷善の後継者候補であることまで知られていると見るべきか。そして、稀男のことも今回の件で知ったか前々から把握済みか。

なんで父である東郷正義ではなくて善なのだろう。父とは会ったことがないが善とは会ったことが在るのか?

夢世界では、言葉の力が働かないので嘘をつける。

(7-10p)

子どもには罪悪感に訴えかける手が通用するのだよな。

最後の稀男のチンピラムーブ、なに親切お兄さんなの? そしてそれはスルーされると。

 

あらすじ

魚成勇は球体使いである。自身へのいじめに怒り我を忘れいじめっ子に力を使ってしまう。すると突然いじめっ子の頭から血が吹く。死んだと動揺し力を解く勇。しかしこれは、通りがかった稀男がペイント弾でつくった見せかけのものであった。稀男はペイント弾でいじめっ子を追い払い、状況をうやむやにしたことの報酬を勇の母親にせびるもかぶだけで追い返される。

その夜、勇に迫る夢魔夢魔は胎界主である勇を夢に閉じ込める。その夢の世界は年老いた母親が若々しく、優しい祖父がいる。その優しい夢のなかに侵入者が現れる。勇の母の依頼を受けた稀男である。稀男は本当の母親のことを話し罪悪感を煽る。すると、勇は夢を拒絶し元の世界に戻った。

何ひとつ変わらない世界で、勇は坂を上る。

 

04『たましいの扉』

(1-3p)

靴の裏。とりどりの扉。影男はベリアル派所属。

九狼くんよく轢かれて無事だったな。

(4-9p)

終点。ゴミ箱に投げて当然入らない。罪の意識で地獄の扉が開かれる。では、どうしたら天国への扉は開かれるのだろう。

「だいたい分かった」この時点では、対傀を想定しておおよその考えが読めたので対応策を思いついている。影を見失ったことに驚いている?(戸的は助けに来た稀男に驚いている)銃を構えて入ったということは自分がいることを知られていない前提で不意打ちし、銀の弾丸を打ち込む予定だった。だが、おそらくメフィストが稀男に気が付きこころの緒経由で稀男の到来を知らせ入った瞬間に取り憑かせた。

死にそうな稀男を助けるために、メフィストはこころの緒を戸的に伸ばし誓約をさせる。たましいの誓約が成立したため、メフィストは戸的を助ける(内田は地獄行き、マッチポンプだなー)

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「自我の礎」は、《過去の集積から構築した存在基盤=世界を認識するための価値体系》→たましいを翻訳したもの。稀男の自我の礎は「人を助ける者」。メフィストフェレスは稀男について、取り替えっ子であることで、養父母を死に追いやった(過去)罪の意識(価値体系)から人を助ける者を演じていると分析した。のちに、『生成世界の奇蹟』で、罪悪感による地獄というシステムを信じないことから罪の意識からというのは否定されるとみていいだろう。

戸的を助けるには、稀男が代わるしかないという状況に追い込まれる。ここで本来なら、稀男は誓約者として12年間働かなければならなくなるが、メフィストフェレスはなぜかこれを条件のみで見逃す。ここは非常に分かりづらい。まずメフィストフェレス自身にロックがかかっているため「他の誓約者同様なんでもだ」ではなくソロモン対策という明確な目的があることを思い出せない。そして本来の目的が、誓約させるのではなく本を読ませることなので、挑発に乗って条件を付けるのみで見逃した。ここのあたりは、ベール派と誓約させたいソロモンと、本を読ませて存在級位を上げてソロモンに対抗させたいゼブブメフィの思惑が交錯している。

 

あらすじ

突然戸的はベリアル派の使い魔に襲撃される。そして気を失うも何事もないためそのまま帰っているといじめっ子に絡まれてしまう。すると、突然一方がもう一方を殴り、さらには電車に飛びこんでしまう。そして、影はどこかに出て行ってしまった。こうした怪奇現象に遭った戸的は、稀男に助けを求めるも無視されてしまう。そして影は戸的に悪行を振りまき続ける。耐えかねた戸的は、理由を聞くと影は自身はいわば戸的の地獄に落ちた前世であり、戸的を乗っ取り天国に行くと宣う。話しを聞いていた稀男は、解決に動くが、恐るべきことに魔王メフィストフェレスが来ていたのである。稀男は影に操られ銃の引き金を引かされそうになる。絶体絶命かと思いきや、メフィストは戸的に助けようかとたましいの誓約を持ちかける。これに承諾してしまったために、稀男は戸的を助けるためにたましいを売らなければならなくなる。戸的はなんとかこの窮地を脱しようと、メフィストフェレスを挑発し、これを稀男は利用し「子供を授かれば」という条件で誓約者となることを認めさせることに成功する。